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岡山大15例目 脳死肺移植 「容体は安定」 

 川崎市内の病院で脳死と判定された20代女性からの国内78例目の脳死臓器移植が13日、各地で行われ、岡山大病院(岡山市鹿田町)では片方の肺が四国地方の40代女性患者に移植された。同病院での脳死肺移植は15例目。

 呼吸器外科を中心とする約30人の医療チームが同日午前11時半ごろから4時間半かけて手術を行った。執刀医を務めた大藤剛宏・同外科肺移植チーフは会見で「提供された左肺は大変良く機能しており、容体も安定している。早ければ1、2カ月で退院できる見通し」と話した。

 患者は1992年に原因不明の肺気腫と診断され、在宅酸素療法を続けてきたが、症状が悪化。会話中の息切れもひどく、2006年に日本臓器移植ネットワークに登録。最近は自宅療養を続けていたが、24時間酸素吸入が必要な状態だったという。岡山大病院には12日午後11時ごろ、移植に向けて緊急入院していた。

 臓器提供者の女性は脳腫瘍(しゅよう)で聖マリアンナ医大病院(川崎市)に入院していたが、12日に臓器移植法に基づく脳死と判定され、肺以外にも心臓、肝臓、腎臓、膵臓(すいぞう)が提供された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年01月14日 更新)

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