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肺がん治療に尽力 西井氏を表彰 岡山で松岡良明賞贈呈式

松田理事長から松岡良明賞を贈呈される西井氏(中央)

 がん征圧月間(9月)に合わせ、がん撲滅に功績のあった個人、団体をたたえる第23回「松岡良明賞」の贈呈式が3日、岡山市北区柳町の山陽新聞社であり、岡山県健康づくり財団付属病院(同平田)院長の西井研治氏(63)=同市南区=が表彰された。

 山陽新聞社会事業団の松田正己理事長が表彰状と賞金100万円を手渡した。西井氏は「職員と一緒にこつこつと取り組んできたことが認められてうれしい」と謝辞を述べ、6月に東京都の受動喫煙防止条例、7月に受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立したことに触れ「岡山でも公共施設など人の集まる場所での建物内禁煙を進めていきたい」と話した。

 西井氏は呼吸器内科の専門医。がんで最も死亡者が多い肺がんの早期発見・治療に35年にわたり力を尽くしている。低線量のコンピューター断層撮影装置(CT)の受検者と未受検者を追跡調査し、肺がんによる死亡率を比較する研究を進めている。

 肺がんや心筋梗塞の危険因子となるたばこをやめる手助けをするため、禁煙治療が保険適用(2006年)になる以前の1990年から禁煙相談を受け、これまでに約800人を禁煙に導いた。岡山県禁煙問題協議会長、タバコフリー岡山副会長として、喫煙による健康被害の防止を訴えている。

 結核医療にも力を注ぎ、医療従事者を対象にしたセミナーの開催や、自治体主催の講演会で講師を務めるなどしてきた。

 賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設。佐々木勝美相談役が1千万円を寄託し、増額された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年09月03日 更新)

タグ: がん肺・気管

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