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第1回 川崎医大病院 乳がん手術 園尾博司教授(乳腺甲状腺外科) 乳房の形を美しく再建

「がん切除、乳房再建を確実に」と話す園尾教授

 「がん病巣を切除し、しかもお乳の形は美しくできるようになったのは、大学病院の集学的治療の成果です」と園尾教授は自信を持つ。

 乳がん治療は切除手術、再発を防ぐ放射線治療、抗がん剤、ホルモン療法など集学的治療が進んでいる。重要なことはがん病巣を確実に切除する。切除後、乳房の形を美しく再建する。この二点。

 日本乳 癌 ( がん ) 学会理事長。三十六年間で九百例の手術をした。川崎医大での症例の十年生存率は1期(二センチ以下)95%、2期(二―五センチ)85%、3期(五センチ超)70%。部分切除して乳房を残す温存率65%。これまで局所再発したのは二例だけ。「がん病巣の範囲は術中病理診断で確定でき、効果的な術後放射線治療を必須としており、世界的にも好成績」と自負している。

 切除後、乳房の形を美しくと、形成外科・美容外科の協力で一九九六年から背部の筋肉、脂肪、最近はシリコンで乳房の形を整え、手術前の乳房に再建する手術約百例を行っている。「女性患者の満足を得ていると思う。残された課題は乳頭にがんがある場合だったが、切除しても形成外科・美容外科で乳頭再建が可能で、大半のケースは、お乳の形がほぼ元通りに救われる」と言う。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月22日 更新)

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