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第17回 万成病院 小林建太郎院長 社会復帰 積極的に推進

小林建太郎院長

 精神障害者に対する偏見などから、精神科病院は長く閉ざされたイメージが強かった。だが、万成病院は「入院中心から地域生活中心の医療へ」という流れのもと、患者の生活をあらゆる面で支える多職種連携、地域住民への理解啓発などを活発に展開、社会復帰も積極的に進めている。560床を抱える岡山県内有数の精神科病院は、地域に根差した病院へと生まれ変わっている。

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小林建太郎院長

 病気の当事者や家族から選ばれる病院になるため、教育・研修の充実、地域との連携、組織としてのまとまりの強化―の三つに力を入れています。

 教育面では職種の壁を超えた勉強会のほか、年に一回院内学会を開催。各職場ごとにさまざまなテーマで発表してもらっています。

 地域との連携は、社会復帰施設「ひまわり寮」での定期的なサロン以外に地元町内会の盆踊りに参加し、病院の夏祭りには地域の人を招いています。当事者も住民と触れ合う中で社会生活に向け自信をつけています。

 毎月、病院を挙げての行事を組み、組織の一体感醸成を図っています。精神障害者は医療、生活両面で多職種で支えなければならず、日ごろの連携が欠かせません。

 このほか、病院体育館でのソフトバレーチームの活動やひまわり寮で行う退院に向けた試験外泊などは他の病院・施設からも受け入れています。毎週木曜には他病院にあまりない「てんかん」専門の外来も開き、きめ細かに対応しています。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年06月03日 更新)

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