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自閉症の鈴木さん 万成病院で絵画展 力強く個性的に

鈴木さんが描いた絵の特徴を説明する母・早苗さん

 知的障害を伴う自閉症の鈴木崇寛さん(30)=総社市原=の絵画展示会が、岡山市谷万成の万成病院で開かれており、個性的で力強いタッチの作品が患者らを魅了している。二十日まで。

 クレヨン画を中心に十六点をロビーの壁に展示。タイルを張ったように猫の背中の色を少しずつ変えた作品や、白い頭と茶の体が印象的な鶏など、動植物をシンプルな構図で仕上げている。用紙いっぱいに書き上げた「夢」「願」など五点の書も飾っている。

 母の早苗さん(54)は「何にとらわれることなく、思った通りのことを素直に表現している。自分らしさを表に出すことの楽しさを教えてくれているようだ」と話す。

 鈴木さんは一九九六年から通う「吉備の里能力開発センター」(吉備中央町上野)で、自立への一歩として絵を描き始めた。次第にユニークな色彩感覚を発揮し、岡山芸術文化賞(県主催)準グランプリなど県内外で数々の賞に輝いている。

 十一日には、鈴木さんに絵を教えた田野智子さん=岡山市=と早苗さんの公開対談があり、早苗さんがこれまでの子育てを振り返る。申し込みは同病院ひまわり寮(086―251―3566)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年10月07日 更新)

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