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冬に多発 心臓病に注意を 榊原病院に聞く(2) カテーテル治療 血管内超音波で効果拡大

血管内超音波の画像(右端)を見ながらカテーテル治療を行う広畑内科部長(左端)ら

広畑敦内科部長

 妊娠中の胎児や腎臓結石など人間の体内を画像化する超音波(エコー)検査。心臓病センター榊原病院は狭心症や心筋梗塞のカテーテル治療の際、ごく小さい超音波の装置を冠動脈に入れ、中の状態を調べる血管内超音波の検査を二〇〇五年からほぼ全例で行っている。

 血管を広げステントを留め置く前後に、先端に超音波のついたカテーテルを入れ、動脈硬化で狭まったり詰まった部分の長さや冠動脈の内径を計る。治療前は、直径二・五―四ミリ、長さ八―三十二ミリとさまざまな大きさがあるステントから、最適の器具を選ぶのに役立て、治療後はステントがきちんと入っているか確認する。

 〇五年まで三年間の米留学でカテーテル治療を研究した広畑敦内科部長(循環器内科)は「血管造影の画像だけを使う従来の治療は冠動脈内がどのくらい狭いか判断が難しい場合もあるが、血管内超音波なら数値で把握できる。治療効果を最大限引き出し、安全性も高まった」と意義づける。

 カテーテル治療の課題は、治療した部分がまた狭くなる再狭窄を減らすこと。欧米のデータでは、血管造影だけで通常のステントを入れると一年後の再狭窄率が15・3%だったのが、血管内超音波を併用した症例では8・5%と、ほぼ半減できたという。

 血管内超音波は十年ほど前から米国で行われ日本に取り入れられた。だが、全例で行う医療機関はまだ数少ないという。広畑部長は「カテーテル治療後二年目以降、治療した部分以外が狭まったり詰まる患者が毎年5―7%いるが、そうした予備軍の個所も血管内超音波で発見し治療できる」と語っている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年01月12日 更新)

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