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岡山市で県内初のクラスター 飲食店 客数百人が接触者に該当か

岡山市内で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、会見する大森雅夫市長(右から2人目)

 岡山市は19日、市内の10~40代の男性4人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。うち10、20代の3人は、女性客と男性従業員=いずれも20代=の感染が既に判明している飲食店の従業員で、市はこの店に関係するクラスター(感染者集団)が発生したと判断した。店名は公表していない。岡山県内でのクラスター発生は初めて。

 市によると、店は北区の繁華街にある接待を伴う飲食店。新たに感染が分かった従業員は10代1人と20代2人で、18日に感染が判明した従業員の濃厚接触者の調査で分かった。3人とも無症状か軽症で入院予定という。

 記者会見した大森雅夫市長は「非常に重く受け止めている。市民には手洗いやマスク、3密(密閉、密集、密接)を避けるなど一層の注意をお願いしたい」と述べた。

 飲食店は17日以降、自主的に休業。市は1~16日に利用した数百人の客が接触者に当たるとみて、協力して調査を進める。同店の他の従業員12人は陰性だった。

 この他の感染判明者は、40代の会社経営の男性。クラスター発生の店を客として訪れて最初に感染が判明した女性と会食していたという。症状は治まっているが入院する予定。市は同居家族1人と会社の同僚5人を検査する。女性の濃厚接触者とされた友人ら9人は陰性だった。

 県内での感染判明は6日連続で、3月に最初の感染者が発生して以来、1日当たりの感染者数は最多となった。県内の感染者は再陽性を除いて40人、市内は29人となった。

 クラスター 小規模な集団感染や、それによってできた感染者の集団。厚生労働省は発生の目安となる人数を「5人程度」としている。国内の新型コロナウイルスの感染事例では、ほとんどの感染者が周囲に広げていないが、一部で特定の人から拡大したと疑われるケースが起きている。政府はクラスターへの対応を重視しており、発生の規模が大きい場合などは専門家でつくる「クラスター対策班」を派遣している。

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※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年07月20日 更新)

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