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川崎病院、旧深柢小跡地に移転を要望 高谷市長、前向きに検討

旧深柢小の跡地利用を求める要望書を高谷市長(右端)に手渡す川崎理事長

 旧深柢小学校跡地(岡山市北区中山下)への移転建て替えを希望し、川崎病院(同所)を来春から運営する学校法人川崎学園(倉敷市松島)の川崎明徳理事長が22日、高谷茂男市長に跡地利用を求める要望書を提出した。要望を受けた後、市長は前向きに検討する姿勢で、本年度中にも結論を出す意向を示した。

 学園側から5人が岡山市役所を訪れ、川崎理事長は「現在の建物は狭いうえ築後50年以上たち、近代的な医療の提供が難しい。市民が安心して暮らせる病院づくりのために跡地を利用させてほしい」と要望書を手渡した。

 市長は「公共性を踏まえて考える。中心市街地から大きな病院がなくなりつつあり、歩いて行けるところに病院があるというのは市民にとっていいこと」と述べた。取材に市長は「要望を前向きに検討し、本年度中には結論を出したい」とした。

 川崎病院は現在地での建て替えが難しいと判断し、跡地への移転建て替えを希望している。市議会が15日、跡地に同病院誘致を求める地元住民らの陳情を採択したことから、跡地を所有する市との交渉に乗り出した。

 川崎学園の構想では、跡地約1万2300平方メートルのうち北部約3分の2に病院を建設。約700床の病床、高度専門医療、救急医療、リハビリ治療などの機能を備える。敷地の南部3分の1は避難所を兼ねた広場としたい考えという。

 跡地は2005年の小学校閉校後も活用方針が未定。今年8月以降、地元住民らが同病院誘致と小学校復活などをそれぞれ求めて陳情し、市議会は病院誘致の陳情を賛成多数で採択した。

 川崎学園は川崎医科大、同付属病院などを運営。来年4月からは現在の財団法人川崎医学振興財団に代わって川崎病院を運営する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年12月22日 更新)

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