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葉タマネギと厚揚げの煮物 体に広がる優しい甘味

葉タマネギと厚揚げの煮物

 ネギのような、長~い葉のついた不思議なタマネギ。お店で見かけたことはありませんか。これは葉タマネギといって、玉の部分が大きく育つ前に収穫したもの。軟らかくて甘くて、とってもおいしい。時期が過ぎて玉が生長すると、葉がくたっと倒れてしまい、こうなるとかみ切りにくくなって食べられません。葉タマネギは春の短い期間だけ楽しめる、旬の味覚なのです。

 30年ほど前の冬に砂糖を使わない食生活を始めた私は、その翌春に葉タマネギを食べたときのことが忘れられません。糖分の抜けた体に優しい甘味がじわじわ広がり、これが野菜本来の味だと感動。今でも春になると、作らずにはいられないメニューの一つです。

 シャリシャリした食感でネギよりも甘く、タマネギだけを使うより食べ応えがあります。重ね煮で素材のうま味がぐっと引き出され、しょうゆと酒だけで十分おいしい。ぱくぱく食べて、止まらなくなってしまいます。

 たくさん作っておいて、次の日には卵でとじて食べてみるのはどうでしょう。ご飯にかけて親子丼風にすると、これまた絶品です。

<材料>(4人分)

 葉タマネギ2束、厚揚げ1枚、生シイタケ3枚、酒大さじ2、しょうゆ大さじ2、だし1カップ

<作り方>

 (1)葉タマネギをきれいに洗い、葉と玉に分ける。葉は3センチの長さにざく切り、玉はへたも捨てずにすべて回し切りする

 (2)厚揚げは6等分程度に食べやすく切る。シイタケを太めの千切りにする

 (3)鍋に酒を入れて材料を図のように重ねる。塩少々(分量外)を振り、ふたをして弱火で加熱し蒸気が出るまで待つ

 (4)蒸気が出ておいしい香りがしてきたら、全体を混ぜ合わせる。だし、しょうゆを加えてさらに15~20分煮る
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年05月07日 更新)

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