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これからのワクチン「交互接種」 中和抗体量の上昇期待

 新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種は、時間の経過とともに低下するワクチンの効果を再び高めるのが狙いだ。

 実際、川崎医科大(倉敷市松島)が1、2回目と同じファイザー製の追加接種を済ませた約800人を対象に実施した調査によると、感染や発症を防ぐ体内の「中和抗体」の量は、2回目接種から5~8カ月後の時点に比べて15・2倍(平均)に上昇したという。

 使用されるワクチンにはファイザー製のほか、モデルナ製があり、1、2回目とは異なる製品を打つ「交互接種」も可能。これまでの研究では、交互接種を行う方がより高い効果を得られることが明らかになっている。

 米国の臨床試験によると、1、2回目と同じワクチンを追加接種した場合、中和抗体量は10・2~20・0倍となったが、交互接種では11・5~31・7倍とさらに増えた。

 ただ、ファイザー製より副反応の出現割合が高いとされるモデルナ製への不安や、交互接種そのものへの心配から、実際にどこまで広がるかは不透明だ。

 では、ここにきて急拡大を続ける新変異株「オミクロン株」に対する効果はどうか。

 米国の疾病対策センターは、入院リスクを90%引き下げると報告。英国の保健当局は、2回目接種から20週間後に発症予防効果は10%程度に激減するが、追加接種の2週間後には65~75%にまで回復するとの調査結果を公表しており、同株にも一定の効果があるとされている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年02月06日 更新)

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