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これからのワクチン接種「5~11歳」 効果、副反応理解を

 新型コロナウイルスの新変異株・オミクロン株による流行「第6波」では、学校園でクラスター(感染者集団)の発生が相次ぎ、子どもの感染や重症化をいかに防ぐかが大きな課題となっている。

 ワクチンに関しては、現在の接種対象は12歳以上だが、厚生労働省は1月、5~11歳を新たに追加することを承認。早ければ3月にも接種が始まる見通しだ。子どもに打たせるかどうか、悩む保護者は少なくないだろう。

 使用するワクチンはファイザー製。12歳以上向けとは別製品で、有効成分量が3分の1に減らされており、3週間間隔で2回打つ。

 米国では90%以上の発症予防効果を確認。発熱などの副反応は大半が軽症から中等症で、接種した約870万回のうち11例で「心筋炎」が見られたが全員が回復した―と報告されている。ただ、データはオミクロン株流行前のもので、同株への有効性は十分に反映されていないとされる。

 一方で、子どもは感染しても大部分は軽症で済むと考えられている。国立成育医療研究センター(東京)と国立国際医療研究センター(同)が18歳未満の患者1038人を調べたところ、3割は無症状。7割に当たる730人には何らかの症状があったが、酸素投与を必要としたのは15人(2・1%)だった。死亡例はなかった。

 日本小児科学会は1月、5~11歳への接種について「基礎疾患がある子どもの重症化を防ぐことが期待できる」との見解を公表。健康な子どもにも「意義がある」とし、効果や副反応を子どもと保護者が十分に理解し対応することが必要としている。

=おわり
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(2022年02月13日 更新)

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