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井笠の小児救急医療考える 笠岡でシンポ 保護者ら5人体験談

小児救急医療をテーマに開かれたシンポジウム

 市民や医療関係者らが井笠圏域の小児救急医療について考えるシンポジウムが29日、笠岡市十一番町の市保健センターであった。医療、消防、福祉、行政関係者らでつくる「みんなで考える井笠の医療・県南西部圏域救急医療体制推進協議会」が主催。約70人が参加し、「“子育ち”“親育ち”を支える社会を考える」のテーマで子育てしやすい環境整備について意見交換した。

 保護者や看護師、保健師らパネリスト5人が体験談などを交えて討議。伊藤真希さん=笠岡市横島=は保護者の立場から「夜間、急病の子を前に病院を探すのは本当に大変」と訴え。いばら保育園(井原市)の杉本壽美子園長は「園児が体調を崩すと忙しい保護者に度々連絡しなければならない」と語った。

 ケアハウス四季が丘(同)の森隆管理者は職場で導入した子育て支援の短期休暇制度、浅口市健康推進課の佐能三保子課長補佐は愛育委員らの活動を説明。笠岡第一病院の看護師柏原寛子さんは病院の多忙さをデータで示し、「社会全体で子育て支援する環境整備が大切」と強調した。

 シンポジウムに先立ち、倉敷中央病院(倉敷市)の桑門克治小児科部長が講演。急病時の応急対応について解説。閉鎖の危機にあった兵庫県立柏原かいばら病院の小児科を守るため、母親らが応急対処をまとめた冊子を作るなど勉強を重ねた結果、コンビニ受診が減り入院に対処する二次救急体制が確保できた事例も紹介した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年01月31日 更新)

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