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ロコモ 年齢に応じた対策を 岡山大整形外科尾崎教授に聞く

ロコモの予防法について話す尾崎教授

 超高齢社会の中、骨や関節、筋肉などの運動器の衰えにより、立ったり歩いたりする移動機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」(通称・ロコモ)への関心が高まっている。新型コロナウイルス禍でロコモが進行するケースも増えており、岡山大整形外科の尾崎敏文教授(61)は年齢に合わせた予防の大切さを訴える。8日は「骨と関節の日」。

 ―ロコモの人は40歳以上で4590万人と推計されている。

 今後も増加が見込まれる。要支援、要介護に認定される原因のうち、実は運動器の障害が全体の4分の1と最も大きな割合を占めている。認知症や脳血管疾患などよりも多い。

 ―自覚症状がなくてもロコモになっている場合がある。

 まずは自己診断「ロコチェック」で現状の確認を。片足立ちで靴下をはけない、横断歩道を青信号で渡りきれないといった7項目のうち一つでも当てはまれば注意が必要だ。例えば朝の1分間でもいいので、片足立ちやスクワットをするなど無理のない範囲で予防を始めてほしい。

 ―行動が制限されたコロナ禍を経て、体を動かす機会が減った人も多い。

 加齢はもちろん運動不足もロコモの大きな要因で、コロナ禍の影響は深刻。高齢者だけの問題ではない。運動器の衰えは40歳ごろから始まり、外遊びをあまりしない子どものロコモの増加も近年指摘されている。若くても運動習慣を身に付けるなど、自分事として年齢に応じた対策を考えてみてもらいたい。



 岡山県整形外科勤務医会などは9日午前10時~正午、岡山市北区駅元町の県医師会館三木記念ホールで「骨と関節の日」にちなんだ講演会を開く。

 尾崎教授がロコモについて解説し、旭川荘療育・医療センターの青木清副院長が「子どもロコモと成長痛」をテーマに話す。予防体操の紹介もある。

 無料。予約不要で先着300人。問い合わせは岡山大整形外科(086―235―7273)。

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年10月04日 更新)

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