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総合診療医を連携して育成 岡山市と岡山大、講座設置へ協定

協定書を交わす森田学長(左)と高谷市長

 岡山市と岡山大は28日、2015年5月に岡山操車場跡地(岡山市北区北長瀬表町)に開院する新しい岡山市民病院で、診療の柱となる24時間365日体制のER(救急外来)を支える総合診療医を育てるための連携大学院設置に向けた協定を結んだ。さまざまな疾患に通じた総合診療医を養成し、地域医療の発展に貢献する。

 調印式では、森田潔学長と高谷茂男市長が協定書に署名。森田学長は「岡山大病院と市民病院を大きな一つの病院とみなし、質の高い医療を提供する」と話し、高谷市長は「病院というハード面だけでなく、人材育成というソフト面も強化し、『総合福祉の拠点都市』につなげる」とした。

 連携大学院は外部と協力し、その人材や施設を活用して教育を行うシステムで、岡山大大学院医歯薬学総合研究科に連携講座「実践総合診療学」を来春に設置する。現市民病院(同天瀬)の医師が客員教員となり、講座所属の若手医師に診療技術などを指導。新市民病院のERは救急専門医が診療を担当するが、混雑時はトリアージ(治療の優先順位付け)などに総合診療医も加わる。

 岡山市と岡山大は09年、医療連携に関する基本協定を締結。ER構築に向け、救急医を育てる寄付講座「地域医療学講座」を10年度に開設した。今回の協定では14年度末までの同講座の設置期間を3年延長。実践総合診療学講座と連携して、新病院開院の準備を加速させる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年05月29日 更新)

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