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(2)生活上で注意する姿勢・動作とは? 岡山労災病院 中央リハビリテーション部(作業療法士) 田中悠

田中悠作業療法士

 今回は日常生活上の姿勢・動作について取り上げます。

家事動作での注意

 一言に家事と言ってもたくさんあり、毎日の生活で多くの家事をこなすことは腰への負担も増加、蓄積させることになります。そこで、腰への負担を軽減し腰痛を予防するために、いくつかのポイントを知っておいてほしいと思います。

 (1)洗濯

 洗濯は洗濯機に入れてボタンを押すだけですが、問題となるのは洗濯物を干す時と畳む時です。洗濯物をカゴから取る時に何度も前へかがむのは最も腰に負担がかかる動作の一つです。床にカゴを置かずにソファや椅子にカゴを置いてもらうことで、あまりかがまなくても洗濯物を取ることができます=図1参照

 洗濯物を畳む時は床に広げて畳むのではなく、テーブルやこたつの上で畳むようにします。床に広げると前かがみが強くなってしまうので気を付けましょう。

 (2)掃除

 まずはノズルの長さを調整してみてください。肘を軽く曲げた状態で持てる長さが最適です=図2参照。これより短いと手を伸ばすだけでなく前かがみの姿勢になってしまいます。また、実際に掃除機をかけてみると腰をねじる動作が入ります。前かがみで腰をねじる動きは特に腰痛になりやすいので注意しましょう。

 拭き掃除をされる方は立ったまま拭き掃除できる市販のウエットシートを使用してください。腰より低い位置で雑巾などを使う場合は、中腰のような姿勢は避けて、面倒でも膝立ちや四つんばいになると良いでしょう。

 (3)炊事

 料理や洗い物でキッチンに立つと20〜30分以上は立ったままの姿勢になり、腰に負担がかかることになります。そこで足を10センチ程度の台に片足を乗せたり=図3参照、左右に半歩ほど開くようにすると負担が減ります。おなかをシンクにもたれさせ体重を分散させることも良いでしょう。

 また、高い戸棚などから物を取る時は足台を使用しましょう=図4参照。頭より高い位置に手を挙げると背中が反った姿勢になり腰への負担が増加するので注意してください。足台を使用することで、できるだけ自分が高い位置になって物を取れるようにしましょう。

買い物での注意

 買い物をする時にはカートを使用しましょう。カゴを持つと、重さが直接的に腰に負担をかけることになります。次に、品物は肩掛けカバンやリュックサックに入れるのが理想的です。手に持つ場合は、買い物袋を二つにして同じくらいの重さで両手に持ちましょう=図5参照。最近はおしゃれな肩掛けのエコバッグもありますので使用してみてはどうでしょうか?

 以上、日常生活を中心に注意するポイントを挙げてきました。基本的には腰への負担を減らす姿勢や動作ということが重要です。ご家族や周囲に人がいる場合は、買い物の荷物を持ってもらうなどの協力をお願いすることも一つの腰痛予防策と言えるでしょう。これらが皆さまの生活の中で一つでもお役に立てれば幸いです。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年02月03日 更新)

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