新増築相次ぐ岡山の総合病院 連携の構築課題
新市民病院は、365日24時間体制で全ての症状に対応するER(救急外来)機能を備える。高度な医療機能を持ちながら、軽症者への対応に追われる他病院の負担を減らす役割も狙う。
同病院の開院に先立ち、岡山市内では岡山赤十字病院(同青江)が1日に新館(鉄骨7階)をオープン。個室を増やし放射線治療室に最新機器を導入した。
岡山済生会総合病院(同伊福町)は、一部機能を移転し2016年1月に新病院(同国体町)を開院させる計画。川崎医科大付属川崎病院(同中山下)は旧深柢小跡地(同所)への新築移転工事を同年8月の完成を目指して進めている。
他にも岡山大病院(同鹿田町)は総合診療棟を拡充し最先端の設備を備える予定。岡山ろうさい病院(同市南区築港緑町)は13年に増改築した。
岡山市には、病床数300以上の病院が12カ所あり、県保健医療計画(11~15年度)では同市を含む県南東部医療圏の病床(1万48床)は258床の「過剰」とされている。本年度中に県が予定する「地域医療構想」の策定では、病床の削減対策、病院間の機能分担が議論される見込み。
各病院は特徴を打ち出すため、「中心市街地の活性化にも貢献したい」(川崎病院)「最先端の高度な医療を提供する」(岡山大病院)「市民の立場で役割を考えたい」(岡山済生会総合病院)などとビジョンを練る。
医療政策に詳しい岡山大大学院医歯薬学総合研究科の浜田淳教授は「岡山は医療水準が高い一方で病院の競争が激しい。共存していくための方策を真剣に考える必要がある」と話している。
(2015年05月08日 更新)