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三菱水島病院が3月閉鎖 自動車不振で存続断念

3月末での閉鎖が決まった三菱水島病院

 三菱自動車水島製作所(倉敷市水島海岸通)が経営する三菱水島病院(同市水島高砂町)が3月末で閉鎖されることが6日、分かった。世界的な不況による同社の業績悪化で、経営が厳しくなっていた病院事業が立ち行かなくなったのが理由。

 1942(昭和17)年に設立され、住民や同製作所従業員らの健康づくりを支えてきた同病院は、67年で幕を下ろすことになる。期間・派遣社員といった非正規労働者の削減など雇用を揺るがす景気後退の波が、地域医療にまで拡大した格好だ。

 同病院は三菱重工業水島航空機製作所付属診療所が前身。46(同21)年に同製作所に経営が移った。

 検診センターや母子診療センターがあり、地域に開かれた病院として貢献してきたが、近年、診療報酬の改定や医師不足などの問題を抱え、業績が悪化。昨年6月末で産婦人科の分娩(ぶんべん)や入院(120床)の受け入れを中止したのに加え、11月末には産婦人科を閉鎖するなど、11あった診療科目は6に減少した。

 「規模を縮小してでも病院を存続させたい」(同社)との意向から、内科や歯科などの外来と検診業務を行っていたものの、昨年秋以降、同社の経営が厳しい状況に直面。病院施設の老朽化が進んでいる上、最新設備への投資や新たな医師確保も必要となったため、存続を断念した。

 現在の同病院の常勤医は6人。既に医師や職員約50人(昨年10月現在)に事情を説明し、理解を得ているという。今後は患者への説明や他の病院の紹介を行う。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年01月07日 更新)

タグ: 医療・話題

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