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岡山大にがん研究拠点 11年までに本格稼働 県内の産学官連携

 岡山県や岡山大など同県内の産学官連携グループが、がん治療薬の研究開発に取り組む「おかやまメディカルイノベーションセンター(OMIC(オーミック))」を、岡山大鹿田キャンパス(岡山市北区鹿田町)に設置する計画があることが2日分かった。関係者によると、最先端の分析機器を導入し、同大発見のがん抑制遺伝子「REIC(レイク)」を活用した治療薬の開発を加速させるなど、世界から注目されるがん治療の研究拠点を目指す。2011年春までに本格稼働させる。

 国の「地域産学官共同研究拠点整備事業」に申請しており、早ければ4日にも採択される見通し。岡山大は鹿田キャンパスの総合教育研究棟の一部と自然生命科学研究支援センターの一部、計約1400平方メートルをOMICに提供。国から委託された科学技術振興機構(JST)が機器整備や施設改修を行う。約15億円の事業費を申請しており、09年度中にも着工する計画。

 OMICでは、がん細胞や体内に注射した薬剤の動きなどを生体を傷つけることなく3次元画像で映し出す「分子イメージング」や薬剤を患部まで効率的に運ぶ「ドラッグデリバリーシステム」など、同大が持つ医療技術を融合。同大大学院医歯薬学総合研究科の公文裕巳教授らが研究するREICを活用した治療薬の早期創薬、がん診断法の確立につなげる。

 管理運営は産学官連携組織「メディカルテクノおかやま」(会長・公文教授)が担う。研究者や企業からの各種分析も請け負い、機器使用料などで運営費を賄うという。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年12月03日 更新)

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