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アジアで創薬連携 共同体設立へ初の協定 岡山大とインドネシアの大学

協定を結び握手を交わす千葉学長(手前右)とパトゥルスィ学長

 岡山大(岡山市北区津島中)はアジアの大学と共同で医薬品を開発するネットワーク「アジア創薬探索共同体」をつくるため、最初の連携先のインドネシア・ハサヌディン大と12日、協定を結んだ。

 岡山大は今年7月、国際共同創薬基盤センターを設立し、文部科学省の補助を受けてマラリアなど難治性感染症の治療薬開発を開始。一方、薬の原料となる生物資源が豊富にあるアジア各国では製薬のノウハウが不足しており、連携によって新薬の開発やアジアでの研究者の育成を図る。

 岡山大で行われた協定式で、千葉喬三同大学長とハサヌディン大のイドゥルス・パトゥルスィ学長が協定書にサイン。千葉学長は「資源の有効活用と人材育成を図りたい」、パトゥルスィ学長は「豊富な資源で良い薬を見つけたい」と語った。

 計画によると、両大で治療薬になる有望な海洋資源を探し、ハサヌディン大は研究者を岡山大に派遣。同大の最新設備や遺伝子解析技術を学びながら新薬の開発を進める。岡山大はハサヌディン大のほか、中国や韓国など現在交流のある大学とも同様の提携を進める。

 担当の土居弘幸・岡山大大学院教授(疫学・衛生学)は「COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)でも議論されたように資源の利益を原産国に公平に還元する仕組みが国際的に必要とされており、今回の新薬開発と教育で実践したい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年11月13日 更新)

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