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酸っぱい!! お酢の効用 岡山県立大の山下講師に聞く 脂肪蓄積抑え肥満予防 摂取は夕食後の時間帯に

「酢には余分な脂肪をつきにくくさせる働きがある」と話す山下講師

 酢の酸味が体にうれしい季節。岡山県立大保健福祉学部の山下広美講師(42)=食品栄養学=は「酢には余分な脂肪をつきにくくさせる働きがある」とする研究成果をまとめた。さらに、学生と一緒に健康レシピを考え、酢の情報発信をしようと産学官のコンソーシアム(連携組織)の活動も始めたばかり。話を参考に、スリムボディーを手に入れてみてはいかが。

 山下講師、大学院生の丸田ひとみさんらが考案した「健康レシピ」は、二十八日付から毎週火曜日掲載します。

 ―研究内容は。

 もともと脂肪の代謝を研究するうちに、酢の主成分の酢酸にたどり着いた。動物実験を経て、健康な成人十五人に醸造酢二百五十ミリリットル(五倍希釈)を夕食後に一カ月間飲んでもらった。一週間目から体重が減り、一カ月で平均約〇・六キロ減。ウエスト周囲径は平均約一センチ減。また、肥満を危険因子とする2型糖尿病予備軍の十人にも同様の条件で行い、血液成分の改善効果がみられた。

 ―酢の効用は。

 余剰脂肪の蓄積を抑制すること。肥満を防ぎ、2型糖尿病の予防に大きく役立つといえる。内臓脂肪の蓄積が原因のメタボリックシンドロームの解消にもつながる。効果がある摂取法は、一日五十ミリリットル程度の醸造酢を五倍程度(約二百五十ミリリットル)に薄めて夕食後約三十分から二時間の間に。人の体が脂肪を合成するのは、一日の中でも夕食後の時間帯。脂肪をつくる酵素がわっと立ち上がり、体内は食事前後で劇的な変化が起こっている。

 ―希釈とはいえ、毎日二百五十ミリリットルの酢を飲むのは大変そう。大学院生の丸田ひとみさんらと考えた健康レシピは、酢を無理なく少しずつ取り入れられる。

 おかず、デザートなど二十八品を考案した。二人分で大さじ一の穀物酢を入れる「みそ酢ープ」は、みそが少なくても味を濃く感じ、減塩効果がある。レモンの輪切りを漬けたサワードリンクは、飲みやすくお勧め。

 ―今春発足した「酢の機能性活用コンソーシアム」代表も務める。活動方針は。

 十三の企業・団体から成り、岡山県で酢を造っている河野酢・味噌製造工場(真庭市)、笹埜造酢(岡山市瀬戸町)、三宅商店(津山市)、大興産業(井原市)の四社も参加。私たち大学側は「酢は体にいい」と言われる根拠を科学的に明らかにし、会員同士で意見を出し合い、共同研究や事業化の促進を図りたい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年08月21日 更新)

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