文字 

みのる産業 医療機器に参入 岡山大などと共同開発 小型ポンプ製造へ

みのる産業が岡山大などと開発する医療用小型ポンプの試作品=岡山大

 農業機械メーカーのみのる産業(赤磐市下市)は、医療機器分野へ新規参入する。酸素濃縮器や人工透析装置に使う小型ポンプの開発を岡山大(岡山市津島中)、岡山県工業技術センター(同市芳賀)と進めており、性能は確認済み。製品仕様の試作を経て、濃縮器や透析装置を造る医療機器メーカー向けに二年後の発売を目指す。

 みのる産業は病害虫を駆除する土壌消毒機用ポンプを製造していたため、二〇〇五年から岡山大と工技センターの研究に参加。農家数の減少などで農機市場が縮小傾向にある中、新たな収益が見込めると判断、核となる小型化技術の特許実施権を十九日に同大と県から正式取得する。

 製品化を目指すのは直径約十五センチ、高さ約十センチのポンプで、従来より一回りほど小さい。ゴム製の振動板を動かして吸入弁や排出弁を開閉させ、流体(気体や液体)を循環させる。

 同大と工技センターが、振動板にリング状のチューブを取り付けることで、小型でも一定量の流体を高圧で多量に送れる技術を開発。〇五年に特許出願した。酸素濃縮器や透析装置を携帯可能なコンパクトサイズにしやすいという。

 三者はこれまでに流量や圧力などポンプの性能を確認しており、今後、製品化を進めるとともに、量産体制を確立する。

 同大大学院の則次俊郎教授によると、流体をより高圧で送るなどポンプの性能がアップできれば、手足の動作を支える着用型介護支援ロボットの空気圧人工筋などにも利用できるという。

 みのる産業は「医療だけでなく介護、福祉など幅広い需要が期待できるだけに、事業拡大につなげたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年06月17日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ