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電動義手、より自然な動きに 岡山県立大・大西准教授ら新技術 センサーで手首制御

新開発の制御技術を取り入れた試作品の義手で実験する大西准教授(中央)ら

 岡山県立大情報工学部の大西謙吾准教授(福祉工学)らの研究グループは、手首の動きと指の開閉を同時に制御する電動義手の新技術を開発した。筋肉を動かす時に発生する電気信号(筋電)と腕の角度を測定するセンサーを併用し、手で物をつかむ際などに、より自然な動きができる。既に完成している試作品を医療現場などでテストし、5年以内の実用化を目指す。

 開発した技術は、ひじがある人の義手向けで、腕の傾きと筋電を測定する2種類のセンサーの情報を元に義手に内蔵したコンピューターで制御。机上の物体を上からつかみたい場合、ひじを伸ばして腕が水平に近づくと、義手の手首が回って手のひらが下を向き、脳からつかむ動作を伝える筋電の強度に応じて手のひらが開閉する仕組み。

 筋電を利用した既存の義手はこれまで、手首が回転せず、横からしか物体をつかむことができなかった。大西准教授らは、市販の安価な小型センサーを活用することで機器を大型化させずに、手首を回転させる機能を加えることに成功した。

 微妙な手首の向きの変更や、頻繁に行う動作のために固定が必要な場合は、肩付近にあごで操作する切り替えスイッチを取り付けることなどで解消できるという。

 大西准教授は「利用者の意見を取り入れながら、生活の質向上につながる義手を作りたい」としている
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年01月21日 更新)

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