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乳幼児支援が急務 チリ大地震 AMDA医師帰国会見

現地の被害状況などを報告する津曲医師

 チリ大地震の被災地で緊急医療活動を行う国際医療ボランティアAMDA(本部・岡山市)の津曲兼司医師(53)が現地から帰国し19日、同市で会見を開いた。低所得者層が多い地域は政府の支援が行き渡らず、弱者にしわ寄せが行っている現状を報告し、これから冬を迎える被災地では抵抗力の弱い子どもへの支援が急務として「乳児支援プロジェクト」を開始したと発表した。

 会見で津曲医師は、現地では衛生状態が悪化し感染症の流行の兆候があることや、粉じんなどで気管支を傷める人、栄養不足で抵抗力が弱まった人が増加している現状を説明。都市部を離れると水、食料の配給が十分でなく、「特に幼い子どもがいるのに家を失った家庭が危機的状況にある。乳児の健康を守ることを第一とした医療活動が必要」とした。

 「乳児支援プロジェクト」は、乳幼児がいる家庭を巡り、支援物資を手渡し、健康診断を行う。地域の医療機関と連携し、治療が必要な場合は病院を紹介する。最も被害の大きかったマウレ州のコンスティトゥシオンで31日まで行う予定。

 2月27日に発生したチリ大地震は、マグニチュード(M)8・8で、死者は800人以上。現在もM6級の余震が続く。津曲医師は3月2日に出発。震源地近くのビオビオ州の州都コンセプシオンで被害調査をまとめ、13日に帰国した。

 AMDAは19日までに医師ら6人を現地に派遣。会見に先立ち、おかやまコープからAMDAに緊急支援金50万円が贈られた。

 郵便振替(01250―2―40709)で募金を受け付けている。口座名は「特定非営利活動法人アムダ」で、通信欄に「チリ地震」と記入する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年03月20日 更新)

タグ: 健康福祉子供感染症

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