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重症児デイ開設へ児発管を急募 総社、非常勤の看護師も不足

リフォームを終えて開業を待つ佐薙さんの事業所

 重い障害でたんの吸引などの医療行為が欠かせない医療的ケア児を日中預かる「重症児デイサービス」の開設を総社市内で目指している一般社団法人「KaiKai(カイカイ)」代表の佐薙幸一さん(31)が人材難に直面している。中でも事業に不可欠な児童発達支援管理責任者(児発管)の採用にめどが立たず、募集を急いでいる。

 児発管は、施設を利用する児童の個別支援計画を作成するほか、家族や職員への助言、指導を行うリーダー役で、1人以上の常勤が義務付けられている。福祉施設や医療機関で3~8年の実務経験を積んだベテランでないと資格を取得できない“狭き門”だ。

 佐薙さんは、長男(4)が脳に重い障害があり、24時間ケアが必要なことから1月に勤めていた会社を辞めて「KaiKai」を設立。数百万円を投じて同市門田の店舗を改装した事業所は完成したが、人材確保で苦戦しており、目標としていた夏までの開設は「このままでは厳しいかも」と焦りを募らせる。児発管の他に、交代勤務に必要な非常勤の看護師も足りていないという。

 重症児デイは、厚生労働省の指針で「各市町村に少なくとも1カ所以上」が基本と定められているが、多くの自治体では福祉・医療人材の不足などから設置は思うように進んでいない。市内に10人以上の医療的ケア児がいるとされる総社にもなく、市は佐薙さんの活動を側面的に支援している。

 佐薙さんは、事業所に置く医療機器の導入に必要な資金を山陽新聞社や中国銀行などが運営するCFサービス「晴れ!フレ!岡山」を活用し、30日まで募集中。現在、200人近い有志から当初の目標額の2・5倍に当たる支援が集まっており、「応援してくれる数多くの人たちの期待に応えるためにも、人材確保に協力してほしい」と呼び掛けている。

 問い合わせは、佐薙さん(090―7999―7792)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年06月06日 更新)

タグ: 福祉

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