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がんの悩み電話 10年余で様変わり 岡山 患者本人の相談増加 96年9月―06年度末

がんの悩み電話相談室の2006年度末までの相談実績(グラフ)

 ボランティア団体「がんの悩み電話相談室おかやま」(事務局・岡山市並木町)は、1996年9月の開設から2006年度末までの10年余の相談実績をまとめた。全相談件数は949件で、患者への病名の告知の流れが定着化していることを反映し、告知すべきかどうかという家族からの相談が激減。一方で患者本人から医療情報や患者同士の情報交換を図りたいといった相談が増えているのが特徴だ。

 相談内容では、「告知」に関するものが九六年度は7・23%、九七年度は7・37%あったが、二〇〇六年度は2・94%に減少。また全相談件数のうち、患者本人へ告知した割合は一貫して増え続け、九六年度の53・66%から〇六年度は93・02%となった。告知の普及を裏付けるように、患者本人からの相談も九六年度は48・99%だったが、〇〇年度以降、50%を超え、〇六年度は61・22%となった。

 健康食品をはじめとする「民間療法」に関する相談は、九六年度の8・43%、九七年度の8・42%から〇六年度は3・53%に半減。「ひところのブームがすたれ、効果の疑わしいものへの過剰な期待が薄れたため」と同相談室は分析する。

 増加が目立つのは、「患者同士で悩みを共有したいので患者会を紹介してほしい」「セカンドオピニオンを受けられる医療機関を教えて」といった「社会資源」に関する相談。九六年度の9・64%から〇六年度は14・71%となった。

 ボランティア相談員の一人で事務局担当の北徳(めぐむ)さん(57)は「近年目立つのは、告知のされ方や告知後に医師から十分な説明がないことへの不安や不満。余命をどう過ごすかという相談も徐々に増えている」と話す。

 電話相談(086―264―7033)は、がんで家族を看取った経験のある市民らが毎週土曜の午後二―五時に対応している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年09月07日 更新)

タグ: がん医療・話題

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