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岡山大病院が「化学物質外来」開設 シックハウスに対応

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は、シックハウス症候群や化学物質過敏症などの患者を対象とした「化学物質外来」を5月12日に開設する。化学物質による健康被害への関心が高まる中、疾患の早期発見・治療などが狙い。同病院によると、中四国の国立大学法人の病院では初めて。

 同大大学院の荻野景規教授によると、化学物質による職業性疾病は全国で年間約300件発生。シックハウス症候群などによる体調不良も明確な診断基準や治療法がなく、適切な対応を受けにくいのが現状という。

 化学物質外来は、外来診療棟1階の総合診療内科に開設。毎月第2火曜日の午後2―4時、瀧川智子・同大大学院助教と荻野教授が診療に当たる。予約制で診療時間は1人30分。原則として他の医療機関からの紹介が必要。

 化学工業など産業現場での有害物質吸引による体調不良や、シックハウス症候群、化学物質過敏症の患者らに対応。面談のほか、必要に応じて血液検査をしたり、職場・家庭で環境測定を行う業者を紹介する。

 荻野教授は「疾患の早期発見・治療はもとより、職業性疾病に関する相談に応じたり、シックハウス症候群などの病態解明にも努めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年04月22日 更新)

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