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妊婦さん、子育て中のママへ 治療法や日常生活での注意点解説

 妊娠や出産をきっかけに痔(じ)などおしりの悩みを抱える女性が少なくない。チクバ外科・胃腸科・肛門科病院(倉敷市林)の専門医が、いぼ痔、きれ痔、あな痔、肛門周囲皮膚炎などの症状や治療法、日常生活での注意点を解説する。

 一番の原因は、頑固な便秘です。

 今まで便秘症状がなかった人も妊娠や出産がきっかけとなり、便秘になることがあります。もともと便秘症の人はさらに注意が必要です。

 原因は、いろいろありますが、妊娠中に多量に分泌される黄体ホルモンが腸の働きを弱めてしまう場合や、赤ちゃんと子宮が大きくなることで、腸を圧迫して腸が狭まって便がたまったり、排便反射が鈍くなってしまうことが考えられます。

 また、同じ姿勢を続けるなどしておしり周辺の血行が悪くなったり、便秘でいきんだりすることが痔の一因でもあります。特に妊娠中の女性は、大きくなった子宮が静脈を圧迫するうえ、ホルモンバランスの変化で便秘がちとなり、肛門周囲にうっ血が起こりやすい状態になっています。出産時に強くいきむことも負担になり、妊娠、出産をきかっけに痔を患う女性は少なくありません。

 痔の症状がひどくても、実際には塗り薬だけで治るケースが多く、手術になる患者さんは2割ほどです。

 手術の際は一週間程度の入院が安心ですが、経過によっては一泊で退院できることもあります。

痔は、必ず手術しないといけないものではなく、手術はあくまでも苦痛の解消が目的です。ひとりで悩まず、専門医に気軽にご相談ください。

治療方法の選択について

1 お薬治療
まずは、症状を診せていただき重度でない限りは、お薬の治療からスタートします。痔=即手術ではないことをご理解ください。

2 日帰り、短期入院手術
薬で完治しない場合はご本人と相談の上、手術方法を決定します。比較的短期間で済むものもあります。

3 入院手術
しっかり治したい、苦痛を早く解消したい場合は、手術の選択となります。

痔にならないための対応
・水分をしっかりとる(寝起きに冷たい水がおすすめです)
・適度な運動をする
・便意を感じたら我慢しない
・産科で下剤などのお薬をもらいましょう

おしりの症状は、こんなにたくさんあります
・いぼ痔(内痔核・外痔核)
・きれ痔(裂肛)
・あな痔(肛門周囲膿瘍・痔瘻)
・肛門周囲皮膚炎
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年10月26日 更新)

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