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1型糖尿病の子どもたちがサマーキャンプ 悩み話せる友達できた

夕暮れ時にはキャンプファイアを真ん中に、みんなでゲームを楽しんだ

 「友達ができて、とってもうれしい」「みんな同じ病気だから、普段は言えない悩みを話し合えた」―。

 1型糖尿病の子どもたちが集う岡山小児糖尿病協会のサマーキャンプが7月30日から8月1日まで、岡山県青少年教育センター閑谷学校(備前市閑谷)で行われた。コロナ禍による中断を経て4年ぶりのキャンプには、小学1年から高校3年まで21人が参加した。

 小児から青年期にかけての発症が多い1型糖尿病は、エネルギー源であるブドウ糖を細胞に取り込むためのホルモン・インスリンが作れなくなり、慢性的な高血糖状態になってさまざまな障害が起きる病気。血糖値をコントロールするため、1日数回の血糖値測定と自己注射などによるインスリン補給が欠かせない。

 親元を離れた子どもたちは、食事の前には血糖値を測定。ごはんやイモ類などに多く含まれる糖質量を算出し、それに見合った量のインスリンを注入していた。学生ボランティアらが一人一人をサポートした。

 医師や薬剤師、管理栄養士による講義では病気の対処法を学んだ。グループトークもあり、子どもたちは「注射の痛みを分かってほしい」「お父さん、お母さん、主治医の先生、分かっているからいっぱい言わないで」など、日頃の思いを打ち明けた。

 1型糖尿病の原因は不明で生活習慣とは無関係。10万人あたりの発症率は年間2人程度とごく少数のため「どうして私だけが」と悩む子どもは少なくない。

 ボランティアの看護学生(20)は「私も4歳で発症した。つらいこともあったが、サマーキャンプでは何でも心置きなく話せ、助け合える友達ができた。初めて病気になってよかったと思えた」と話していた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年09月04日 更新)

タグ: 糖尿病

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