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1型糖尿病 三好さん(岡山)優勝 「ビキニフィットネス」中四国大会

ビキニフィットネスの中四国大会でポーズをとる三好さん=8月20日、松山市(三好さん提供)

三好さんの食事の一例

 1型糖尿病の団体職員三好紗衣子さん(27)=岡山市北区=が8月に松山市で開かれたボディービル競技「ビキニフィットネス」の中四国大会で優勝した。競技を始めて2年に満たないが、楽しみながらトレーニングに打ち込み体を鍛え上げた。次の目標は全国大会。「1型糖尿病の子どもたちに、夢を抱いて目標に打ち込めば、充実した人生を送れると伝えたい」と話している。

 ビキニフィットネスは、女性らしいしなやかさとバランスよく引き締まった体形を競う。7月9日に岡山市であった「中国ビキニフィットネス選手権大会」では2位だったが、8月20日に松山市で開かれた「中四国ビキニフィットネス選手権大会」では優勝した。

 三好さんが競技を始めたのは2021年12月。病気への不安や戸惑いも多かったが、ジムの仲間や同じ病気の人々、職場や家族の支援を励みにトレーニングに取り組んだ。

 今年に入ってからは1日のトレーニング量は3時間ほどに。毎朝1時間程度のウオーキングにも取り組んだ。食事は3食手作りで、ごはんなどの炭水化物は1日150グラム程度に抑え、良質のタンパク質と野菜を摂取するよう心掛けた。血糖値は「おおむねフラットで、120~100ミリグラム/dlの間に納まっている」という。

 1型糖尿病は、体のエネルギー源であるブドウ糖を細胞に取り込むためのホルモン・インスリンが作れなくなる病気。血液内のブドウ糖濃度(血糖値)が異常に高まり、全身にさまざまな障害をもたらす。原因は不明で、子どもや若者を中心に発症する。生活習慣や体質などが原因の2型糖尿病とは異なる。

 22歳で1型糖尿病を発症した三好さんは「周囲の理解が少なく、当初はつらいことがいっぱいあった」と振り返る。しかし、ビキニフィットネスに出合って考え方がポジティブになり生活が変わったという。何より「1型糖尿病の人々、とりわけ子どもたちを元気づけたい」という目標が原動力になっている。

 9月10日には、宇都宮市で開かれる全国大会に出場する三好さん。「たとえ病気があっても、夢中になれることと出合えれば、すてきな人生を送れることを身をもって伝えたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年09月04日 更新)

タグ: 糖尿病

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